12月に入ってから急激に気温が低くなって、朝晩の冷え込みが辛いですね、、🥶
寒いのは苦手ですが、冬は色んな海産物が旬を迎える季節ですから、せっかく市場に勤めているので存分に冬を味わおうと思っています!✨
今回のブログも珍しい魚ではありますが冬が旬です!
そのお魚がこちら!!
、、、???!
皆さま、このお魚見たことありますか?
私はおそらく見たことなかったです。金目鯛やスズキと一緒に当たり前のように並んでいて、うっかり見逃すところでした。
色見がなくてつるんつるんの体。深海魚かな?でも名前が書いてない、、
そしてこの大きさで異常に安い?!
分からないことはなんでも仲卸さんに質問!
『ゲンゲ』という魚だそうです。
見たことなかったのに、なんとなく聞いたことがありそうな名前、、。
いったん水産棟から事務所に戻りましたが、調べてみればみるほど気になってきてしまったので急いで水産棟へ!
あと2匹残ってる!ギリギリセーフでした。これ1匹ください!
「コラーゲンがたっぷりだよ!地元の人に聞いたら、唐揚げで二度揚げするといいんだって!美味しい魚だよ」と仲卸さん。
とっておき情報を教えていただきました😆楽しみ♪
今回は教えていただいた唐揚げと、すまし汁の2品作りました!
作り方の前にちょっとゲンゲについて説明しますね。
『ゲンゲ』はやはり見た目からなんとなく想像できるように、深海魚です。
ゲンゲにも色んな種類があり、食用とされる種類は主に『ノロゲンゲ』『シロゲンゲ』『カンテンゲンゲ』『タナカゲンゲ』という魚です。
食用にされるこれらのゲンゲたちは、全身がゼラチン質で覆われており、コラーゲンたっぷり。
今回私が出会ったゲンゲがどのゲンゲか分からなかったのですが、ネットで調べた感じだと、丸い鱗、口の先の丸い感じなどの特徴から『シロゲンゲ』じゃないかと思っています。
ちなみに、『タナカゲンゲ』は別名『ババア』『ババチャン』『なんだ』などと呼ばれるそうです。
『ババチャン』は親しみがこめられている感じがありますが、『ババア』、と『なんだ』はなんだか雑すぎてちょっと笑ってしまいますね、、
そしてゲンゲの名前の由来は、1匹税別350円という価格で売られている理由に直結していそうなものなのです、、
『下の下』
これが『ゲンゲ』の由来です。昔は同じ水深に生息するエビを底引き網でとる時に一緒に交じって引き上げられ、多量の水分を含み、劣化が早く商品価値が低いため、やっかいものとして扱われていました。
そのため、漁師たちの間では『下の下』と呼ばれ、浜に捨てられてしまっていたそうです。
近年では流通が速くなり、保存方法が改善され鮮度が保てるようになったこと、また、ゲンゲに豊富なコラーゲンが含まれることから注目、評価されるようになってきました。
富山県では昔から一部の地域で『ゲンゲ汁』が郷土料理として親しまれており、最近は県内の広い地域でも色々な調理法で広まっているようですね。私がゲンゲをどこかで聞いたことがあったのはこのゲンゲ汁かもしれないです。
しかし、まだまだ知名度が低いことからこんなに値段が安いそうです。
これからが楽しみなお魚ですね!
では、期待が高まったところで、早速捌いていきましょう!
まな板から余裕ではみ出るサイズ!
写真で見るといまいち伝わりませんが、なかなか迫力ありました。
そして実際に持ってみると、見た目よりももっとプリンプリンです!
お魚を持っているとは思えない、、なんだこれは、、
骨も柔らかめなのでかなりしなります。
捌く前にしっかり洗いますが、プリンプリンな体とは裏腹に歯がとっても鋭いので気を付けてください!私は危うくケガしかけました。
次に、無いように見えて意外としっかりあるウロコを包丁の刃の部分を使って取ります。
小さ~いウロコが結構しっかり取れます。
そして頭を切ります。骨は以前捌いたウマヅラハギやイサキよりは、かなり切りやすかったです!
次に肛門からお腹の部分に切れ目を入れて、それから頭を内臓ごと取るつもりだったのですが、工程を飛ばして頭を切ってからすぐ内臓と一緒に取ってしまいました。
それでも内臓はしっかり取れたので問題はなかったですが、お腹を切ってから取り除いた方が取りやすそうですね。
頭はすまし汁に使いますので捨てずに取っておきます。
お腹を切ったら開いてしっかり洗い流します。
黒い膜みたいなものがあるのでしっかり流します。
真ん中の赤い部分の血合いも、包丁でゴリゴリっと切りつけてから洗い流せばすぐ取れました。
先ほど取っておいた頭からエラを取り除きます。
エラは包丁ではどうやって取り外せばいいのか分からなかったので、地道にハサミでチョキチョキと切って取りました、、✂
次に、身を三枚おろしにします。尻尾の先の身の無い部分を切り落としからおろします。
プリンプリンなので、ちゃんと切れているのかよく分からなかったのですが、結構上手くいったのではと思います!
身のコラーゲンがすごいです!こんなに身が透き通っている魚は初めてみました、、
身にまだ付いているヒレも全部切って取り除きます。
ヒレの周りに骨があるので上手く骨が身についてこないよう切り分けてください!
腹骨も切って取り除きます。
この骨を取り除く工程が一番難しかったです。苦労していたのでこの工程だけ写真が撮れずすみません、、
でもここだけ頑張ればあとは意外と簡単です!
上手く行かなくても、ここで取り除いたものは全部すまし汁に使えますので大雑把に切ってしまっても大丈夫です。
残った背骨の部分も切り分けてすまし汁に使います!
取っておいた頭は半分に切り分けます。
身は唐揚げにするので食べやすいサイズに切ります。
水分がとにかく多い、、!!ですので水気をキッチンペーパーで拭き取ってしっかり片栗粉をつけます。
キッチンペーパーで拭いたあとに塩コショウして味付けしてみたのですが、味付けは揚げてから塩をかけたほうが良かったな~と思いました。ちょっとしょっぱくなってしまったので、、😓
唐揚げは仲卸さんに教えていただいた通り、二度揚げします。
こちらが一回目に揚げたもの。少し時間が経つと、しなしなと水っぽくなってきてしまいました。だから二回しっかり揚げるんですね~なるほど!😳
すまし汁の下準備として、臭みや汚れを除くために、取っておいた頭や背骨などなどはしっかり洗っておき、熱湯をかけます。
ゲンゲ事体からはそこまで出汁が出ないようなので、出汁は昆布出汁を使います。お酒も加えます。
アクをどんどん取っていきます、、
塩、醬油で味を整えて完成!
早速食べましょう~♪
唐揚げは二度揚げしてますが、一回だけ揚げた時ほど早くはないですが、時間が経つと水が出てきてしまうようなので、温かいうちに食べましょう!
お~!
外がカリッと中プルップル!
新食感です。これは美味しい~!!
外がカリカリに仕上がったのは二度揚げのおかげですね。
そして二度揚げを教えてくださった仲卸さんのおかげです。
本当にありがとうございます!
ちょっとピンボケしちゃいましたが、揚げてもコラーゲンたっぷりです。
そしてすまし汁、、
こちらももちろんプルプルですが、唐揚げよりも白身部分が楽しめたかも?
唐揚げの味付けが濃すぎたからなのかどうか、、不思議です。
おつゆも上品な味でとても幸せ気分になりました😊
ただ、唐揚げもすまし汁も、私のように写真を取りながらのんびり食べなければ全然問題ないと思いますが、冷めるとちょっと臭みが出てきたかな?と思いました。
写真を撮るときはササッと終わらせて熱々のうちに食べましょう😅♪
捨てるところはほとんどなく、1匹まるごと味わいつくせた感じです。
3人で食べてちょうどぐらいでした。
満足感がすごいですが、これで買った当時は350円です!
しかも調理もそこまで難しいところもなく。
今のところ値段のハードルは低いので、見た目のとっつきにくさを超えれば美味しいものが食べられますよ!
市場でもあまり見かけないですが、見つけたら是非!おすすめですよ✨